建物賃貸借契約で起こりやすいトラブルとは?宅建業者・借主が注意するポイント
ご存知ですか?
建物賃貸借契約のトラブルには分かれ目になるポイントがあります。
シリーズでご紹介いたします。
①告知義務(宅地建物取引業法第47条第1項)について
宅地建物取引業法による「第35条の重要事項説明に規定される説明すべき事項」の他に宅建業法は業務に関する禁止事項として、
「重要な事項について故意に事実を告げず、または不実のことを告げる行為」を掲げています。
宅建業法第35条が過失行為(うっかりミス)も含むのに対し、
この告知義務(宅地建物取引業法第47条第1項)は故意(認識しつつわざとする意思に基づくもの)のみを問題にしています。
ここでいう「重要な事項」とは、それを告げないことにより取引の相手方が重大な不利益を被るおそれがある事項です。
または、取引当事者の契約締結の意思決定に影響を与える事項(社会通念上客観的に判断される事項)と解されていますが、
この判断の基準は、通常人・平均人の感覚で考えるのが妥当です。
このような観点から見ると、
①対象建物に騒音・臭気等の影響を与える施設や建物等が存在する。
②対象建物の隣接地に、対象建物の日照・通風・眺望に影響を及ぼす建築計画がある。
③対象建物の敷地に土壌汚染が存在する
④借主予定者が入居する部屋で、前賃借人が自殺した
⑤対象建物で殺人事件またはこれに準ずる犯罪が行われた
というような事実を、仲介業者が知っている以上は、告知義務があるといえるでしょう。
ただ、これを知らなかった場合はこの告知義務違反にはなりませんが、
仲介業者の善管注意義務の問題として具体的なケースごと個別に検討されることになります。