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建物賃借権の譲渡と建物の転貸②

2.賃借権譲渡・転貸の法的な制約 賃貸借契約は、貸主と借主の信頼関係に基づく継続的な関係が生じている契約であって、目的物の使用・収益の仕方は人によって異なります。 貸主側から見ればだれでも使ってよいというわけにはいきません。 借主その人に着目して貸すという側面が強い契約です。 そこで、民法は、「...

建物賃借権の譲渡と建物の転貸

1.賃借権譲渡・転貸の意義 (1)譲渡と転貸の違い 賃借権の譲渡というのは、賃貸借契約によって生じた借主としての権利・義務、言い換えれば借主としての地位を第三者に移転することをいいます。 賃借権の譲渡によって借主の地位はそのままの内容で譲受人に移転し、元の借主は賃貸借関係から離脱します。 こ...

管理・用法違反をめぐるトラブルについて

1.管理義務違反 建物賃貸借契約においては、貸主は借主に対し、借主が賃借した目的を達成できるように、その建物を使用収益させる義務を負っており、この義務こそ貸主の本体的な契約上の義務です。 この義務の内容は、単に使用収益をさせるというだけではなく、借主の使用収益に適する状態を維持し、もし使用収益に適しない...

修繕をめぐるトラブル②

前回の記事からの続きです。 4.修繕に関する特約 (1)借主に負担させる特約は有効か 貸主の修繕義務に関する民法第606条は、任意規定すなわち当事者間の合意で任意に修正変更できる規定であり、また借地借家法でも特に修繕義務に関する規定を設けておりません。 そこで、修繕に関する特約は原則とし...

修繕をめぐるトラブル①

1.修繕義務を負うのはどちらかー民法の原則ー 建物の修繕義務を負うのが貸主なのか借主なのかについては、民法に明文の規定があります。 「賃貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う」(民法第606条第1項)と、貸主の義務であることがはっきりと定められています。 賃貸借は、貸主が借主に対し賃...

賃料をめぐるトラブル【賃貸人の立場】

賃料をめぐるトラブルで最も多いのは、滞納問題です。 どのような対処をすればよいのか、強制的に退去をさせてもよいのかわからない人もいるでしょう。 対処法や、未然に防ぐ方法など紹介します。 建物賃貸借における賃借人の債務は、その建物の賃料の支払い義務です。 賃料の支払期にこれを履行しないことは債...

敷金をめぐるトラブルについて

そもそも敷金とは何なのか、敷金をめぐるトラブルはあるのでしょうか。 裁判例など含めて詳しくご説明します。 (1)敷金とは何か 敷金の意義とその法的性格については、一種の条件付きで金銭の所有権を借主から貸主に移転するものと解されています。 賃料の支払債務や将来借主が負うことがあり得る貸主に対す...

建物の賃貸借の成立時、授受される金銭の種類とその性格

建物の賃貸借が成立した際に、借主から貸主に支払われる金銭には、家賃のほかに礼金・敷金・保証金などがあります。 しかし、これらの内容は地域において異なる面があります。 (1)礼金 借主から貸主に支払われる一時金のことであり、通常は月額賃料の1~2ヶ月分相当が多いですが、最近では借家市場の状況変化によって...

インボイス制度とは!?約1年後に導入されます!

令和5年10月1日から適格請求書等保存方式(インボイス制度)が導入されます。 制度が始まる前に注意点や、どう動くべきなのかご存知ですか? まず、基本的な消費税のしくみをご紹介します。 消費税を最終的に支払う必要があるのは最終消費者です。 間に入っている事業者は「預かった消費税-仕入れなどで支...

賃貸借契約の特約条項による無効・有効事例

今回は、賃貸借契約の特約条項による無効・有効事例について詳しく説明をします。 借地借家法の理念から、「裁判例において無効とされた特約」と「借地借家法上も有効とされた特約」はいろいろありますが、学説上も異論のないものを掲げると次のとおりです。 (1)無効の特約と解されているもの ...