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敷金をめぐるトラブルについて

 

そもそも敷金とは何なのか、敷金をめぐるトラブルはあるのでしょうか。

裁判例など含めて詳しくご説明します。

 

 

(1)敷金とは何か

敷金の意義とその法的性格については、一種の条件付きで金銭の所有権を借主から貸主に移転するものと解されています。

賃料の支払債務や将来借主が負うことがあり得る貸主に対する損害賠償債務など、賃貸借契約から生ずる借主の一切の債務を担保するための金銭というわけです。

借主に賃料の不払いなどがあれば、貸主は契約の存続中でも終了後でも、敷金をこれに充当することができますが、よほどの事情がない以上、貸主は滞納賃料を敷金で充当すべきではありません。

なぜなら、敷金で充当することにより、借主の債務不履行はとりあえず解消する結果となり、その後に滞納が続いた場合、ただ解除が可能となる時期を遅らせるだけのみならず、借主の負うべき将来の債務を担保するものが減少してしまうことになるからです。

敷金が授受されていても、借主の側から、不払い賃料を敷金から充当せよと主張することはできません。そして契約終了時に、借主に債務があればその額を差し引き、債務がなければ全額を返還しなければなりませんが、利息をつける必要はないと解されています。

 

 

(2)賃貸借終了の際の敷金返還時期

この賃貸借の終了に伴う借主の建物明渡しの債務と貸主の敷金の返還債務は、同時履行の関係にあるのか、それとも建物の明渡し債務の履行が先なのかについては、学説上争いがありますが、最高裁の判例は、両債務は、特約がない限り、同時履行の関係に立たない、と解しています。(最高裁判決・昭和48年2月2日)。すなわち、建物明渡し債務が先履行であって、借主は建物を明け渡してから敷金の返還を受けることになります。

 

2.貸主・借主が変更した場合の敷金関係

 

(1)貸主が変わったとき

当事者間に特約のない限り、敷金関係は新しい貸主に承継されるものと解するのが判例です。これによれば、賃貸建物の所有権が譲渡された場合、譲受人すなわち新貸主が譲渡人すなわち旧貸主から敷金を受け取っていなかったとしても、借主が契約の終了により建物を明け渡すときには返還しなければならないことになります。

 

(2)借主が変わったとき

これに対し、建物賃借権が貸主の承諾により適法に譲渡された場合、敷金関係はどうなるのか、言い換えれば、敷金の返還請求権は当然に新しい借主に承継されるのでしょうか。

最高裁の判例はその解釈を認めず、貸主はいったん旧借主に返還して、新借主から新たに敷金を払わせるという関係になるとしています。

 

3.敷金の償却・敷引き

 

(1)敷金の償却・敷引きの意味

 

敷金の償却ないし、敷引きというのは、賃貸借契約の終了の際に、敷金から一定の額または一定の割合を賃借人に返還しないこと、あるいはその旨の合意のことをいいます。

この法的な意味・性格は、個別のケースごとに種々の説明がなされていますが、問題はそもそもそのようなことができるか否かです。

もちろん、そのような特約がなければできませんが、その特約がある場合、そのまま有効なものと認められるかどうかです。

 

(2)有効か否か

一般論的にいえば、敷金の2割ないし3割程度の償却すなわち不返還の特約は有効なものと認められています。

しかし、近時の裁判例で特徴的なものは、平成7年の阪神・淡路大震災を契機として顕在化した特約の有効性の問題です。

それは、賃貸人の責に帰すことのできない事由、いわば不可抗力によって契約が終了したときは、賃貸人は敷金の返還を要しない旨の、いわば全額償却の特約が有効かという問題でした。

この特約は、天災地変などの不可抗力によって建物が滅失したときは、一斉に敷金返還債務が生じ、かつ賃貸人も多大の損害を被っていることを考慮すると、それなりの経済的合理性がないわけではありませんが、多くの裁判例は、公序良俗その他の理由付けによって、その特約の効力を認めませんでした。